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支援 AI の設定

SlideCraft の AI は「執筆・編集を手伝う道具」であって、あなたに代わって勝手に何かを確定するものではありません。生成物は必ず採用ゲート(差分ビュー)を通してから反映され、あなたが accept/reject を選びます。AI をどこで動かすかも自由に選べます。

  • 内蔵オフライン AI(llamafile) — 追加設定なしで、手元のマシンだけで動かす。クラウドに何も送りません。
  • 外部プロバイダ(BYOK) — 自分の API キーで Anthropic / OpenAI / OpenRouter / Ollama などにつなぐ。

このページでは両方の設定方法と、プライバシーまわりの仕組みを説明します。AI が何を手伝えるか(生成・編集の全体像)は Markdown 記法 も合わせて参照してください。

AI なしでも使えます

AI はあくまで補助です。Markdown 執筆・テンプレート流し込み・図・PPTX/HTML 出力は、AI を有効化しなくてもすべて動きます。「まず自分で書いて、細部だけ手伝わせる」使い方が基本です。


内蔵オフライン AI(llamafile)

デスクトップ版には、オフラインで動く AI ランタイム(llamafile サイドカー)が組み込まれています。デスクトップ版ではこれが既定の提供元です。クラウドへ一切送信せず、モデルの重みも入力も出力もすべて手元のマシンに留まります。

内部的には、有効化するとローカル(127.0.0.1 のループバック)に OpenAI 互換のサーバが立ち上がり、SlideCraft はそこへ話しかけます。宛先が常にループバックなので、後述のローカルモデル限定モードの判定でも「ローカル」として扱われます。

有効化と初回モデルの自動ダウンロード

  1. AI 設定で提供元を「組み込み(llamafile・オフライン)」にします(デスクトップ版の既定)。
  2. 初回だけ、マシンの性能(RAM とコア数)に応じたモデルが自動ダウンロードされます。ダウンロードは整合性チェック(SHA256 照合)付きで、一致しなければ拒否されます。
  3. 以後はローカルのモデルファイルで動くので、オフラインでも生成・編集ができます。

自動選択されるモデルは 2 ティアです。

ティア既定モデルおおよそのサイズ選ばれる条件
SmallPhi-3.5-mini 3.8B約 2.4 GB控えめな環境(安全な下限)
BalancedGranite 4.1 8B約 5 GBRAM 12 GB 以上 かつ 4 コア以上

判定はシンプルで、総 RAM 12,288 MB 以上 かつ 論理コア 4 以上なら Balanced(8B)、それ未満は Small(3.8B)です。8B は編集指示の追従が安定する一方、CPU 推論には余裕が要るため、「余裕があるときだけ一段上げる(最大までは張らない)」という保守的な設計になっています。設定パネルには、このマシンが既定で選ぶモデル名と実際のダウンロードサイズが表示されます。

どちらのティアが動くか

おおまかに、メモリ 8 GB 級のノート PC や 2 コアのマシンは Small(Phi-3.5-mini)、16 GB/4 コア以上のマシンは Balanced(Granite 4.1 8B)になります。Small でも、後述の採用ゲートや図のタイプ選択といった「ハーネス側の足場」で実用的な品質が出るように設計されています。

起動・停止とメモリ

生成時に AI は自動起動し、起動処理で UI が固まらないようになっています。使い終わったら「停止」ボタンでランタイムを止めてメモリを解放できます。次に生成すればまた自動で立ち上がります。

初回だけ通信します

モデルの重み(GGUF ファイル)は Hugging Face から一度だけダウンロードします。このダウンロードのときだけネットワークに出ます。ダウンロードが終われば、以後の生成・編集は完全にオフラインです(あなたのスライド内容がクラウドに送られることはありません)。


生成と編集

AI は「生成」と「編集」の 2 通りで手伝います。どちらも内蔵 AI・外部プロバイダのどちらでも使えます。

生成

  • スライドの生成 — Draft の Markdown を AI に書かせる/たたき台を作らせる。
  • 図の生成 — DiagramSpec()を生成する。図は「まずタイプを決める → そのタイプ専用の指示で生成」という二段構えなので、狙った種類(例:flowchart)が出やすくなっています。

編集と採用ゲート

既存スライド 1 枚、複数選択、デッキ全体に対して、自然言語で修正を依頼できます。ここが重要な点です。

AI の出力はそのまま反映されません。 出力はまず採用ゲートで検証され、差分ビューで元との違いを確認したうえで、あなたが accept / reject を選びます。壊れた出力や、指示に反する変更を黙って取り込むことはありません。

best-of-N(複数候補から選ぶ)

1 枚のスライド編集では、複数候補を同時に生成して一番良いものを選ぶ(best-of-N)ことができます。

  • 候補数は 1〜5 の範囲で設定します(1 = 通常の単発生成)。設定値はこの範囲に丸められ、記憶されます。
  • 候補は並列にファンアウトして生成され、それぞれ採用ゲートで採点されます。制約違反(あふれ等の HARD 違反)がない候補が優先され、ベストが提示されたうえでピッカーから選べます。並列数はマシンの RAM に応じて自動調整されます。

best-of-N はコストとのトレードオフ

候補を増やすほど品質の当たりを引きやすくなりますが、その分だけ生成に時間(と、外部プロバイダなら API コスト)がかかります。内蔵 AI では課金は発生しませんが、CPU 時間は増えます。まずは 23 から試すのがおすすめです。


外部プロバイダ(BYOK)

内蔵 AI の代わりに、自分の API キー(Bring Your Own Key)でクラウド/別のローカルランタイムを使うこともできます。設定できる提供元は次のとおりです。

提供元接続方式API キー既定モデル例備考
Claude (Anthropic)純正 Anthropic SDK必須claude-opus-4-8クラウド専用
OpenAIOpenAI 互換必須gpt-4ohttps://api.openai.com/v1
OpenRouterOpenAI 互換必須openai/gpt-4ohttps://openrouter.ai/api/v1
Ollama (local)OpenAI 互換不要llama3.1http://localhost:11434/v1
組み込み (llamafile)OpenAI 互換(ループバック)不要上記のオフライン AI
Custom (OpenAI 互換)OpenAI 互換任意自由入力Base URL・モデル名を自分で指定

Claude だけは純正の Anthropic SDK 経由、それ以外はすべて OpenAI 互換の Chat Completions/v1/chat/completions)でつながります。つまり Custom を使えば、Groq・Together・Mistral・DeepSeek・LM Studio・vLLM など、OpenAI 互換のエンドポイントなら何でも接続できます。

設定手順

  1. AI 設定で提供元を選びます。
  2. API キーを入力します(Claude / OpenAI / OpenRouter は必須。Ollama やローカルランタイムは不要なことが多いです)。
  3. Custom の場合は Base URL とモデル名を入力します。インストール済みモデルの一覧は、対応するエンドポイントなら自動取得してドロップダウンに出せます。

非ローカルの宛先は https 必須

API キーが平文で漏れないよう、ローカル/ループバック/LAN 以外の宛先には https:// が必須です。http:// のクラウドエンドポイントは(Authorization: Bearer <key> を平文で送ってしまうため)拒否されます。ローカル宛(localhost127.0.0.1、社内 LAN の private IP)は http:// のままで構いません。

Custom エンドポイントの初回確認

プリセット以外の外部ホスト(自由入力の Custom クラウド宛先)へ初めて送るときは、「この宛先に API キーを含むリクエストを送ってよいか」を一度だけ確認するダイアログが出ます。承認すると、そのマシンではそのホストを以後信頼します。Anthropic / OpenAI / OpenRouter などのプリセットや、ローカル宛先では確認は出ません。悪意ある Base URL に誘導される事故を防ぐためのものです。


ローカルモデル限定モード

「GUI からモデルへ送るデータを、絶対にこのマシン/LAN の外へ出したくない」という場面のためのハードスイッチです。上級設定(⚙ 上級設定)の中にある 🔒 ローカルモデル限定 をオンにします。

  • オンの間は、提供元セレクトからクラウド系プロバイダが隠れます
  • クラウドのプロバイダ/エンドポイントへの送信はハードブロックされます(ネットワーク呼び出しの手前で拒否)。UI 側だけでなく生成経路の最終地点でも二重に強制されるため、UI をすり抜ける経路からも漏れません。
  • オンの間は上級設定が自動展開し、「クラウド送信ブロック中」バッジが表示されるので、有効なのに気づかない、ということが起きません。

許可されるのはローカル宛先だけです。具体的には内蔵 llamafile、localhost / ループバック(127.0.0.1, ::1)、そして RFC1918 の private IP(10.0.0.0/8, 192.168.0.0/16, 172.16.0.0/12)や link-local(169.254.0.0/16)です。

内蔵 AI + このモードが最も安全

内蔵オフライン AI は常にループバックのサーバなので、このモードをオンにしていても普通に使えます。「内蔵 AI + ローカルモデル限定モード」の組み合わせが、機密資料を扱うときの最も安全な既定です。


プライバシー

SlideCraft の AI まわりは「既定でローカル、送るなら明示的に」という方針です。

  • 内蔵 AI はオフライン。 モデルの重みの初回ダウンロードを除き、生成・編集はすべて手元で完結し、スライド内容がクラウドに出ることはありません。
  • BYOK のキーはあなたのマシンに留まります。 外部プロバイダを使う場合、API キーは可能な限り OS のキーチェーン(Windows 資格情報マネージャー / macOS キーチェーン / Linux Secret Service)に保存され、JS から読める localStorage の平文には置きません。キーチェーンが無い環境(ブラウザ/デモ、Secret Service の無い Linux)では従来どおり localStorage にフォールバックします。「キーを記憶」をオフにすれば両方から消去できます。
  • 外部送信は明示的です。 非ローカル宛先は https 必須、プリセット外のクラウドホストは初回に確認ダイアログ、そしてローカルモデル限定モードで送信そのものを封じられます。

これは「便利側の防御」です

キーチェーン保存や確認ダイアログは、平文での保存や、人を騙して悪意ある宛先に送らせる攻撃を防ぎます。ただし webview そのものが侵害された場合の防御ではありません(キーは送信時に JS のメモリ上に載るため)。最も硬い防御が必要なら、内蔵 AI + ローカルモデル限定モードで、そもそも外へ出さない構成にしてください。


困ったとき

生成をクリックしても外部プロバイダに送られない

ローカルモデル限定モードがオンだと、クラウド宛先はブロックされます。上級設定に「クラウド送信ブロック中」バッジが出ていないか確認してください。オフにするか、内蔵 AI / ローカルランタイムを使ってください。

「安全でない Base URL です」と出る

非ローカルの宛先に http:// を指定しています。https:// に直してください。ローカル宛(localhost / 127.0.0.1 / private IP)は http:// のままで構いません。

Ollama につながらない(CORS など)

デスクトップ版はリクエストを Rust 経由でルーティングするため、通常 CORS の問題は起きません。ブラウザ/開発モードで使う場合は、Base URL・サーバの起動・CORS 許可を確認してください。Ollama の既定は http://localhost:11434/v1 です。

内蔵 AI の初回ダウンロードが失敗する

ダウンロードは SHA256 照合付きで、内容が一致しないと拒否されます。ネットワークを確認して再試行してください。ダウンロードのときだけ通信が必要です。

AI エージェント(Claude Desktop / Claude Code など)を上流からつないで編集させたい場合は、ここではなく MCP を参照してください。その他は FAQ、テンプレートまわりは テンプレート をどうぞ。

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