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スターターガイド

Markdown を書いて、会社のテンプレート(PowerPoint の見た目)に流し込み、整った .pptx を作る——SlideCraft の一連の流れを、最短の成功体験としてなぞります。まずは 1 枚のスライドが .pptx になるところまで通してみましょう。

テキストは Markdown で書き、配置や装飾はテンプレートとエンジンにまかせる、という分業が SlideCraft の考え方です。フォントやレイアウトを崩さずに、内容だけに集中できます。

なぜ SlideCraft か

「Markdown でスライドを書く」ツールは他にもあります。SlideCraft が違うのは、あなたの会社のスライドマスターをそのまま受け継ぎ、人が作ったと見分けのつかない仕上がりで、編集可能な本物の PowerPoint を、最小の計算量で作るところです。

  • 🎯 テンプレに流し込む、崩さない — 既存 .pptx テンプレのプレースホルダに Markdown を流し込みます。フォント・配色・レイアウト・マスター装飾はそのまま。PowerPoint と格闘しません。
  • ✏️ 画像じゃない、編集できる図形 — 図・表・ダイアグラムはネイティブな PPTX シェイプとして出力。受け取った人が PowerPoint でそのまま手直しできます(スクショの貼り付けではありません)。
  • 🧠 配置は決定論エンジンが整える — レイアウトはテンプレの役割から自動選択(どんなマスターでも動く)、本文は容量内に収め、あふれはフォントを縮めず自動分割、配色はコントラストを保証。
  • ⚡ 計算量は必要最小限、品質は保証 — 整形・配置・検証を決定論エンジンが担うので、AI に必要なのは Markdown を書くことだけ。だから小さなローカルモデルで足り、トークンも最小。しかも AI の出力は適用前に「採用ゲート」で検証され、あふれ・書式・コントラストは engine が保証します。「賢いモデルに賭ける」のではなく「ハーネスが品質を担保する」設計です(harness over model)。
  • 👁 プレビュー=出力 — プレビュー・PPTX・HTML が同じ描画エンジンを共有。「プレビューと本番が違った」がありません。
  • 📊 12 種のネイティブ図+Mermaid — フローチャート・ガント・KPI・レーダー…を数行の YAML から、編集可能な図形として。
  • 🔒 ローカルファースト+AI — デスクトップ+内蔵オフライン AI(llamafile)。データは手元に。上流 AI に MCP で駆動させることもできます。

まだ入れていない場合

先に インストールガイド を済ませてください(Windows .msi / Linux .AppImage.deb / macOS は Homebrew cask)。

全体像 — 4 ステップの流れ

SlideCraft の基本サイクルは次の 4 つです。

  1. Draft(下書き) — Markdown を入力する。
  2. スライドにする — テンプレートを選び、Markdown を解析してデッキ(スライド集)に変換する。
  3. 視覚エディタで確認・調整 — 見たままのプレビューで確認し、追加・並べ替え・二段階編集をする。
  4. 出力.pptx(PowerPoint)または スタンダロン HTML を書き出す。
 ┌─────────┐   ┌──────────────┐   ┌───────────────┐   ┌────────────┐
 │ ① Draft │ → │② スライドにする │ → │ ③ 視覚エディタ │ → │ ④ 出力     │
 │ Markdown│   │ +テンプレート │   │ 確認・調整     │   │ PPTX / HTML│
 └─────────┘   └──────────────┘   └───────────────┘   └────────────┘

Markdown(入力)とデッキ(真実の状態)は、同じ内容を行き来できます。ふだんは視覚エディタが主面で、Markdown はいつでも入力・書き出しに使えます。

① Draft — Markdown を書く

SlideCraft を起動すると、まず下書き(Draft)の Markdown を用意します。新規なら Initialize モーダルから、既存の .md ファイルを読み込むこともできます。

Markdown は「1 スライド分ずつ」のブロックとして解釈されます。最小限、次を覚えれば書き始められます。

  • ---(水平線)でスライドを 1 枚区切る
  • # 見出し がスライドのタイトル
  • 箇条書き(- / * )や段落が本文

はじめての 1 デッキとして、そのまま貼り付けられる例です。

markdown
# 2026年 事業計画
> 第2四半期レビュー

Category: 経営会議
Date: 2026-07-07

---

# 今期の3本柱

- 品質 — 不良率を半減
- 速度 — リードタイム短縮
- コスト — 原価 10% 削減

---

# 売上推移

```diagram
type: xychart
nodes: []
xychart:
  xlabel: 四半期
  ylabel: 売上
  categories: [Q1, Q2, Q3, Q4]
  series:
    - { kind: bar, name: "2024", values: [10, 14, 13, 18] }
```

タイトルスライドのメタ情報

タイトルスライドでは Category: / Date: / Footer: の行がメタ情報として扱われます。## 見出し または > 引用 はサブタイトルになります。

記法の全体像(表・画像・多カラム・KPI・コードフェンス)は Markdown 執筆ガイド にまとまっています。図の 12 種と mermaid 経由の 4 種は 図(ダイアグラム) を参照してください。

全機能デモを丸ごと試す

もっと盛りだくさんの例として、全機能デモデッキ(ネイティブ図・mermaid・表・多カラム・各種レイアウトを一通り収録した約 30 枚)を用意しています。samples/sample-deck.md を Draft に丸ごと貼り付けて「スライドにする」だけで、SlideCraft の表現力を一度に確認できます(v0.2.0 まで起動時に表示していたサンプルです)。

② スライドにする — テンプレートを選んで変換

Markdown を書いたら、テンプレートを選んで「スライドにする」を実行します。ここで起きることは次の通りです。

  • Markdown をスライド単位に区切って解析する
  • エンジンが各スライドに最適なレイアウトを自動選択する(auto
  • テンプレートの配色・フォント・レイアウトを適用する

変換後は、テンプレートの色・フォントがそのまま反映された WYSIWYG(見たまま)プレビューが得られます。フォントが縮んだりレイアウトが崩れたりしないのは、装飾をテンプレート側にまかせているからです。

テンプレートは何を選べばいい?

手元に会社標準の .pptx があれば取り込んで使えます。役割の壊れた .pptx は「整形して取り込む」で修復取り込みできます。枠構成が独特で流し込みがうまくいかないテンプレは「テーマだけ取り込む(Re-make)」で色・フォント・ロゴだけ受け継げます。ゼロから作るなら、配色(9 色パレット)とフォントを選ぶだけで新規作成も可能です。詳しくは テンプレート を参照してください。

レイアウトを指定したいとき

自動選択にまかせず特定のレイアウトを使いたい場合は、そのスライドの先頭行に <!-- slide: レイアウト名 --> を書きます。通常は省略して構いません。

③ 視覚エディタで確認・調整

変換すると視覚エディタに入ります。ここが SlideCraft の主面です。

  • サムネイル一覧 — 左のリストから各スライドを選び、右のプレビューで見たまま確認する
  • デッキ操作 — スライドの追加・複製・削除、ドラッグでの並べ替え
  • 二段階編集 — 内容(コンテンツ)とデザイン(配置)を独立して調整する

編集は 2 つの層に分かれています。

  • 内容 = Markdown — スライドの中身(見出し・箇条書き・表・図)を「このスライドを丸ごと」の単位で Markdown として編集する
  • デザイン = 空間的な意図 — 「テキストを左・図を右」「このノードを強調」「図の向きを縦→横に」といった配置の意図を指定し、エンジンが実際の座標に落とし込む

この 2 層は独立していて、内容を書き換えてもデザインの意図は保たれ、逆も同様です。どちらの層も AI に手伝わせることができます(支援AI設定ガイド 参照)。二段階編集の詳細は 二段階編集と出力 にあります。

④ 出力 — PPTX / HTML を書き出す

満足したら書き出します。出力先は 2 種類です。

  • .pptx(PowerPoint) — 図・表は編集可能なネイティブ図形として出力されるので、PowerPoint 側でそのまま手直しできます(画像として貼り付けられるわけではありません)。テンプレートの色・フォント・レイアウトは維持されます。
  • スタンダロン HTML — 外部依存のない単一ファイル。リッチなスライド遷移・オーバービュー(一覧)グリッドに対応し、印刷すると 1 スライド=1 ページになります。

作業状態は .scft プロジェクトファイル(デッキ+テンプレートを 1 ファイルに同梱)として保存・再開できます。インストール版ではこの拡張子がアプリに関連付けられるので、.scftダブルクリックすればそのまま SlideCraft で開けます(起動済みなら新しいタブとして開きます)。

一部の Mermaid は PPTX にできません

gitGraph / sankey / C4 などの変換不能な Mermaid は PPTX に描けず、出力時に拒否されます(無言で消えることはありません)。対応する図——diagram の 12 種、または変換可能な Mermaid(class / state / ER / mindmap)——に置き換えてください。

つまずいたら

  • 画像が本文テキストになる — 画像は data:image/...;base64,... のデータ URI のみが画像化されます。リモート URL やローカルパスは安全のため画像になりません。
  • 図が描画されないdiagram フェンスの YAML/JSON に構文エラーがあると描画されません。エディタが理由を表示するので、type: と必須フィールドを確認してください。
  • 本文があふれる — エンジンが決定論的に内容を複数スライドへ分割します。要約や表への変換も有効です。

その他の質問は FAQ にまとまっています。

次に読むもの

一連の流れを通せたら、深掘りにどうぞ。

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