テンプレート
テンプレートはスライドの見た目 — 配色・フォント・レイアウト — の源です。SlideCraft は、あなたが書いた Markdown を選んだテンプレートに流し込んで .pptx を組み立てます。テキストの中身とデザインを分業させることで、フォントやレイアウトを崩さずに整ったスライドが作れます。
このページでは、テンプレートの入り口を扱います。取り込みには忠実取り込みとテーマだけ Re-makeの 2 モードがあります。
- 既存
.pptxの取り込み(忠実) — 会社標準のレイアウト・枠をそのまま活かす - テーマだけ取り込む(Re-make) — フォント・配色・背景・ロゴだけ受け継ぎ、SlideCraft 自前レイアウトで作り直す
- 壊れたテンプレートの修復取り込み — 枠の役割が壊れた
.pptxを「整形して取り込む」 - テンプレートの新規作成 — 配色・フォントを選んでゼロから作る(AI 提案・ライブプレビュー付き)
永続化される
デスクトップ版では、取り込んだ/作成したテンプレートはアプリのローカルデータ領域に保存され、再起動後もマスターピッカーから選べます。ブラウザ版(開発・デモ用)はセッション内のみで、閉じると消えます。
テンプレートが決めるもの
1 つのテンプレートは、次の 3 つをまとめて持っています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 配色 | 見出し色・本文色・背景色・アクセント色など、意味づけされた色のセット |
| フォント | 見出し用(major)と本文用(minor)の 2 系統 |
| レイアウト | タイトルスライド・本文・比較・KPI など、スライドの枠組みの型 |
Markdown を解析すると、エンジンが各スライドに最適なレイアウトを自動選択し、テンプレートの色とフォントを適用します。あなたはレイアウト名を意識する必要はありません(明示したい場合は Markdown 先頭に <!-- slide: レイアウト名 --> を書けます。Markdown 記法 参照)。
1. 既存テンプレートの取り込み(.pptx)
手元の .pptx(会社標準の空テンプレートなど)を読み込むと、その 色・フォント・装飾 がスライドに適用されます。
手順
- マスターピッカーから テンプレートを取り込む を選ぶ。
.pptxファイルを選択する。- 健全性チェックが走り、問題なければそのまま登録・適用される。
取り込んだテンプレートは即座にメインプレビューに反映されます(見たままの WYSIWYG)。以後の変換ではこのテンプレートの色・フォント・レイアウトが使われます。
どんな .pptx を用意すればいい?
中身のスライドは空でかまいません。SlideCraft が読むのは スライドマスター/レイアウト/テーマ(見た目の定義)です。会社配布の「ひな形 .pptx」や .potx をそのまま渡せば、その見た目が使えます。
自社標準でないテンプレートでも動く
SlideCraft のレイアウト自動選択と流し込みは、入力されたマスターの枠構成に合わせて動きます。名前の付け方が独特なテンプレートや、想定外の枠構成を持つ「見慣れない」テンプレートでも、枠の役割(タイトル枠・本文枠など)を型から推定して受け入れます。名前ではなく 枠の種別とインデックス で結び付けるため、名前の揺れに強い設計です。
取り込んだテンプレのロゴもプレビューに出ます
レイアウト/マスターに置かれた画像(会社ロゴ等)は、プレビュー・HTML 出力にもそのまま描画されます。
1-b. テーマだけ取り込む(Re-make)
「マスターを取り込む(.pptx)」の隣に、もう 1 つの取り込み口 「✨ テーマだけ取り込む(Re-make)」 があります。こちらは会社テンプレートから フォント・配色・背景・ロゴだけを抽出 し、SlideCraft 自前の整ったレイアウトに載せ替えて新しいテンプレートを作ります。
どちらを選ぶ?
| 観点 | 忠実取り込み(1.) | テーマだけ Re-make(1-b.) |
|---|---|---|
| 使うレイアウト | 会社テンプレのレイアウト・枠配置をそのまま | SlideCraft 自前の整ったレイアウト |
| 受け継ぐもの | 見た目ほぼ全部(独自レイアウト含む) | フォント・配色・背景・ロゴ |
| 向く場面 | 会社独自レイアウトを忠実に再現したい | 第三者テンプレの枠構成が独特で忠実取り込みだと崩れる/「色とフォントとロゴさえ会社のものなら、あとは整ったレイアウトで良い」 |
Re-make は、第三者マスターの枠構成の癖(プレースホルダ番号のばらつきなど)を 構造的に回避 できるのが強みです。
Re-make が受け継ぐもの
- フォント(見出し/本文)
- 配色 — 背景・本文色・アクセントなどを コントラスト安全 にマッピング(読めない配色にならない)
- 背景とデザインの型 — 濃色/淡色に加え、本文スライドが「ヘッダーバー付き」か「フラット(白地に見出し)」かを、元テンプレの設計に合わせて吸収
- ロゴ — 元テンプレのロゴを、表紙・章扉・締めなどの面に再配置
どちらも常に選べます
Re-make は忠実取り込みを 置き換えません。取り込みメニューに両方の口があるので、テンプレートごとに向く方を選べます。うまく流し込めないテンプレは Re-make、独自レイアウトを活かしたいなら忠実取り込み、と使い分けてください。
2. 壊れたテンプレートの修復取り込み
タイトル枠や本文枠の 役割(type)が失われている .pptx は、そのままでは正しく流し込めません(どこがタイトルでどこが本文か判別できないため)。SlideCraft は取り込み時にこれを診断し、「整形して取り込む」 で救済します。
どう救済されるか
取り込み時に健全性チェックが走り、致命的な問題(タイトル枠の役割が無い=NO_TITLE_ROLE/本文枠の役割が無い=NO_BODY_ROLE)を検出すると、修復プラン を提示します。
- 候補の推定 — 役割不明の枠の中から、決定論的なルールで候補を選びます。
- タイトル候補:フォントサイズが最大の枠(マスター継承で残る唯一の手がかり。18pt 以上を要求)。同点ならページ上部にある枠を優先。
- 本文候補:残りの中で面積が最大の枠。
- 最小限のパッチ — 選ばれた枠に役割(type 属性)を付与するだけの、最小の XML 修正を行います。他の枠には一切手を触れません。
- 日本語の理由つき提案 — 「この枠をタイトルとして扱います(フォントサイズ最大のため)」のように、なぜその修復かが示されます。
確認ダイアログで 「整形して取り込む」 を選ぶと、修復が適用された bytes だけが登録・適用されます。
過剰修復はしない
致命的な問題を持たない(=そのまま使える)テンプレートは 一切改変されません。修復は「役割の付与」だけで、枠の座標を動かしたりレイアウト名を書き換えたりはしません。修復しても致命的問題が解消できない場合は、従来どおり取り込みを拒否します(無言で壊れた状態にはなりません)。
修復されるのは「役割(type)」だけ
PPTX の各枠(プレースホルダ)は <p:ph type="title"> のように役割を持ちます。この type が欠けていると、エンジンはその枠がタイトルなのか本文なのか判断できません。修復はこの type を付け直すだけの操作で、枠の実体(位置・サイズ)やレイアウトの命名を作り直すことはしません。
3. テンプレートの新規作成
手持ちのテンプレートが無くても、配色とフォントを選ぶだけで ゼロから新しいテンプレート .pptx を生成・登録できます。マスターピッカーの 「+ テンプレを作成…」 から作成モーダルを開きます。
作成モーダルでできることは次の 4 つです。
- 配色(9 色パレット)とフォントの選択(手動 or AI 提案)
- 使うレイアウトのサブセット選択(30 種から必要なものだけ)
- カスタムレイアウトの定義
- ライブプレビュー(変更が即座に描画に反映)
3-1. 配色 — 9 色パレット
配色は、それぞれ 意味を持つ 9 つのスロット で構成されます。「アクセント1」のような抽象名ではなく、「タイトル文字」「本文文字」のように 役割 で指定するので、色を替えても意味が崩れません。
| スロット | 役割 |
|---|---|
background | 濃色レイアウトの背景・淡色レイアウトのヘッダーバー |
canvas | 淡色レイアウト(本文スライド)の背景 |
titleText | タイトル文字(背景/ヘッダーバー上に載る) |
bodyText | 本文文字(canvas 上に載る) |
subtle | 補助文字(サブタイトル・メタ情報) |
muted | 弱い文字(出典・ページ番号) |
accent | 強調(カテゴリラベル・比較オプション1) |
accent2 | 第2強調(比較オプション2) |
emphasis | 大きな数字などの強調文字(canvas 上) |
コントラストは自動補正される
文字が背景に埋もれないよう、SlideCraft は重要な色のペアを自動チェックします。具体的には titleText と background、bodyText と canvas のコントラスト比を計算し、WCAG の基準(比 3 未満)を下回っていたら、文字色を白または濃色へ自動で寄せて可読性を確保します(補正した場合はその旨を告知します)。色選びで失敗しても文字が読めなくなることはありません。
3-2. フォント
フォントは 2 系統を指定します。
- major(見出し用) — タイトルなどの大きな文字
- minor(本文用) — 箇条書き・段落などの本文
3-3. AI に配色・フォントを提案させる(✨)
配色やフォントを手で選ぶ代わりに、✨(AI におまかせ) から自然言語で雰囲気・用途を伝えて提案させられます。
例:「落ち着いた金融系、濃紺基調でフォーマルに」
AI が返すのは スペック(配色・フォントの提案 JSON)だけ です。実際に PPTX を書き出すのは常に決定論的なコードで、AI の出力はそのまま使われるわけではありません。返ってきた提案は次のように整えられてから使われます。
- 色は 6 桁 hex に正規化(不正な値は既定にフォールバック)
- 上記のコントラスト・ガードを適用
- フォント名が空なら既定にフォールバック
内蔵オフライン AI で完結
提案は内蔵のオフライン AI(llamafile サイドカー)でも動きます。クラウドに送らずに配色案が得られます。小さなローカルモデルの雑な JSON でも、ハーネス側で常に「使えるスペック」に落とし込まれます。詳しくは AI 設定 を参照してください。
3-4. レイアウトのサブセット選択
テンプレートには 30 種類の組み込みレイアウト(タイトルスライド・本文・比較・KPI・セクション区切りなど)が用意されています。作成モーダルでは、この中から 必要なレイアウトだけ をチェックボックスで選んで含められます。用途が限られたテンプレートなら、不要なレイアウトを省いてすっきりさせられます。
空/不足はブロックされる
レイアウトを 1 つも選ばない、あるいはタイトル・本文の必須枠が揃わない構成は、取り込み時と同じ健全性ゲートで無効として弾かれます。壊れたテンプレートが無言で作られることはありません。
3-5. カスタムレイアウト
組み込みレイアウトでは足りない場合、レイアウトエディタ で独自のレイアウトを定義できます。枠ごとに位置・サイズ・フォント種別(major/minor)・色スロット・寄せなどをフォームで指定し、ショーケーススライドで即プレビューできます。
- レイアウト名は自動で非空・一意に整えられます(重複や空名は補正)。
- 座標などの数値は有限値としてガードされます(不正値はブロック)。
3-6. ライブプレビュー
作成モーダルでは、配色・フォント・レイアウトを変えるたびに、実際の描画結果がその場で反映 されます。これは見た目を近似したモックではなく、実際のプレビュー描画(writeTemplate → loadTemplate → distill を経て本番と同じレンダラで表示)なので、見たままがそのまま出力 になります(WYSIWYG)。設定 → 適用 → 確認…を往復せずに、その場で仕上がりを詰められます。
作成し終えたら、生成 → 登録 → 適用で、そのテンプレートがメインプレビューに即座に反映されます。
PowerPoint 実機での確認について
WARNING
生成・修復されたテンプレートは、SlideCraft 自身の読み込みロジックによる往復検証(読み戻して健全性 OK・座標誤差 ±1% 以内・コンテンツ生存)を通しています。python-pptx などによる構造検証も恒久的なゲートになっています。ただし PowerPoint 実機での開封確認は開発環境の制約から一部が手動項目 として残っています。会社配布を前提にするテンプレートは、念のため実際の PowerPoint で一度開いて確認することをおすすめします。
よくある質問
Q. 取り込んだ .pptx の色やフォントが反映されない。 A. SlideCraft はスライド本体ではなく マスター/レイアウト/テーマ を読みます。ひな形の見た目がテーマに定義されているか確認してください。役割の壊れたテンプレートなら、上記の「修復取り込み」で救済できます。
Q. 作ったテンプレートが次回起動時に消えている。 A. 永続化はデスクトップ版の機能です。ブラウザ版(デモ用)はセッション内のみで保持します。デスクトップ版をご利用ください。
Q. 文字が背景と同化して読めない配色を選んでしまった。 A. titleText/background と bodyText/canvas のコントラストは自動補正されます。それでも気になる場合は、パレットで文字色スロットを明示的に調整してください。
そのほかは FAQ も参照してください。
関連ページ
- インストール — アプリの入手と起動
- Markdown 記法 — スライドの中身の書き方
- 図(ダイアグラム) — テンプレート配色を継いだネイティブ図
- AI 設定 — 配色・フォントの AI 提案に使う内蔵 AI
- MCP — AI エージェントからの利用